クーラントは10年以上無交換で放置すると、着色料の鮮やかな色が消えて防錆効果も落ち、錆混じりの茶色い液体になります。

そうなるとエンジン内部に錆が発生して剥がれ、冷却水路が詰まり、オーバーヒートの原因になります。

10年10万キロで車を乗り換えるなら、必ずしもクーラント交換は必要ありませんが、永く乗るつもりなら絶対に行わないといけないメンテナンスです。
ここではエンジンのウォータージャケットのドレンも外して行うクーラント交換を推奨します。そのドレンはエンジンによって位置がまちまちですので、必ずサービスマニュアルを参照したり、ディーラーに確認したりして下さい。

ラジエータードレンからクーラント交換するだけであれば、作業はかなり簡単です。

なお、水道水での濯ぎ作業は涙を飲んでもやらないようにしましょう。水は必ず残るので、クーラントの調合割合が少なめだと冷却水路がサビサビになります(泣)

ラジエーターロアホース付け根の蝶ネジのようなドレンを緩めます。この時、ラジエーターキャップは外さないようにしてみて下さい。

すると、リザーブタンクのクーラントが抜けてくれます。その後、水流の勢いが増すのでそれを合図にラジエーターキャップも外すと速く抜けます。

後はドレンを締め、じょうごを使って満水までクーラントを注ぎ込んでキャップを締め、リザーブに上限よりも気持ち多めにクーラントを入れます。

あとはエンジンを掛ける毎にリザーブタンクのクーラント量を確認し、上限を下回っていれば追加するだけです。

できればリザーブタンクを取り外し、内部の沈殿物を家庭用洗剤で洗浄しておけば尚良いです。ひたすらシェイクすれば大方落ちます。

ウォータージャケットのドレンも外すとなると、作業の難易度がかなり上がります。しかし、これを行うことでクーラント交換の効果が2倍にも3倍にもなります。

追加でスピンナーハンドルとエクステンションバー、ソケットを用意して下さい。

ウォータージャケットのドレンは大抵エンジンの側面に有ります。しかし、縦置きFFの乗用車で、バルクヘッド側にドレンがある場合は作業スペースが狭く、DIYで緩めるのは非常に困難です。恐らく整備工場でも断られるでしょう。

付近の補機類をバラす以外無いですが、クーラント交換程度でそれをするのは割に合わないと思います。やるかどうかはひとえにオーナーの考え次第です。永く乗るのであれば万難を排して緩めるか、ドレンから抜かず、クーラントを圧送交換する方法を取るよりないです。

圧送交換はDIYではまず不可能です。膨大な量の廃液の処理を業者に頼むにしても、一時保管するドラム缶の設置場所のこともあり、ハードルが高いです。DIYでやるならドレンを緩める方法一択です。

個人で出来る廃液の処理としては、「高吸水ポリマー」に吸わせて燃えるゴミに出すというのがベストです。

ガソリンスタンドや整備工場に引き取って貰うのは、相手に対して迷惑になるということを肝に銘じるべきです。