油圧パワーステアリングは高圧を発生させる関係で発熱が凄く、長年使い込んだフルードは真っ黒に変色しています。

通常使用の車でパワステが壊れることは少ないと思いますが、替えるに越したことはないです。

10年20年と乗っていきたいなら絶対変えるべきですね。あのオイルの色を見たら変えずには居られないでしょう。全量交換することでフィーリングも劇的に変わります。

ここではパワステポンプの高圧ホースが繋がるユニオンボルトを外して、オイル交換する方法を紹介したいと思います。

他にリザーブタンク内の古いオイルをスポイトで吸って新油を注ぎ込む、希釈オイル交換もありますが、リザーブタンクから一度に吸い取れるオイル量は高々数十ccで効率が悪いのでオススメしません。

ただ希釈法はパイプの付け外しがないので、コンタミに注意すれば壊す心配はほとんどありません。お好きな方を選んで下さい。

さて、ユニオンボルトを外すとなると準備するものは意外と多いです。

・パワーステアリングフルード1L

・スピンナーハンドルとソケット

・フロアジャッキ

・ウマ

・シーリングワッシャ

...いや、思った程多くはないですね。ただ作業する上で両輪ジャッキアップやユニオンボルトを締める際のトルク管理、オイルラインからのエア抜き等、注意する所が多いです。
PSFは有る所には有るのですが、あまり目に掛からないのでより入手しやすいATFで代用します。

ATFは、あるグループのホームセンターには置かれています。それ以外にも、前から有る所には有りました。

DSC_0088


恐らく、アメリカ発の某大規模スーパーで「クイックジャッキ」が簡単に手に入るようになり、その作動油としての需要が生まれたためでしょう。

時代の流れを掴むのが速い印象です。


スピンナーハンドルは600mmくらいの長めのものを用意して下さい。ユニオンボルトは固く締まっています。ソケットも一度車の下に潜ってサイズを確認しましょう。

ジャッキ・ウマはクイックジャッキとまでいかなくとも、それこそ某大規模スーパーで売られているフロアジャッキのような安定感のあるものを選んで下さい。

シーリングワッシャは外すまでサイズがわからないと思います。圧力がかかる所なので、表面が滑らかな高品質なものを選んで下さい。さもないと漏れます。投稿者は最初モノタロウの一袋50枚入りのワッシャを使い、ベタベタに滲ませました。2枚入りで200円の表面粗さが非常に滑らかなワッシャを使うと漏れなくなりました。

それではまずジャッキアップしてウマを掛けましょう。

リザーブタンクの蓋を外し、ユニオンボルトを外して、タイヤを左右に切りながらオイルを押し出します。

出し切ったら、バンジョーナットの両端にワッシャを嵌め、ユニオンボルトを締めます。

リザーブタンクへ少しずつフルードを注入します。この時、レベルゲージの上限をこえないようにしましょう。沢山入れると吹き出てきてもったいないです。

あとはひたすらハンドルをロックトゥロックまで切るか手でタイヤを左右に切るかして、エア抜きします。(重要)

何十回か行うとほぼ抜けるので、エンジンを数秒掛けます。するとリザーブタンクの油面が下がるので、上限までフルードを足します。

後はエンジンを掛けながらロックトゥロックを何回か行い終了です。

運転してみると、ハンドルの軽さに驚かれること請け合いです。