ここではジヤトコ製CVTのミッションオイル交換について、実践的な方法を紹介していきたいと思います。

よく、走行距離が10万キロを超えていると交換しないほうがいいと言われていますが、距離はあてになりません。

気にするべきは

乗り方

です。

急発進急加速を控えて乗っていれば、運転している方は多少ストレスが溜まりますが、機械の方のロックアップクラッチは減りません。

そういう車両なら20万キロを超えていても、交換しても問題なく稼働するでしょう。事前にコンタミチェッカーで診断した方がいいですが。

ほとんどの場合は思い立ったが吉日です。

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※「エコランプ」が消えないように心がけて乗られていた車両のミッションオイルパン。初回交換なので鉄粉は多少磁石に吸着されているが、クラッチの磨耗粉がパン底にほとんど堆積していない!

CVTFやATFは、エンジンオイルやMTオイルのように単純には交換できません。

これらの変速機には、スチールベルト、ギア、クラッチ、コントロールバルブ油路、デフなどから発生した鉄粉が、大量にパン底に堆積する特徴があります。

なので、単純にドレンボルトを外してオイルを抜くだけでは不十分です。一部のミッションオイルパンの無い車種を除いて、オイルパンを外して清掃する必要があります。作業の難易度は高いです。

オイルパン固定ボルトを締めすぎると、ガスケットを痛めてオイル漏れの原因になったりします。

そのあたりのさじ加減ができる人、つまり機械いじりに慣れている方でないと、

大失敗してしまうと思います。

その点に注意してから、まず

・CVTF 8L

・新品の計量カップやオイルジョッキ(通常のエンジンオイルなどが混ざらないように)

・差込角1/2の、19mmソケット(ドレンボルト用)、加えてスピンナーハンドル(ラチェットレンチはダメ❗)

・差込角1/4の、ラチェットレンチおよび10mmソケット(オイルパン用)


・5mm六角レンチ(オーバーフローチューブ式のみ)

・M12パッキン(日産のエンジンオイルドレンパッキンが適合)

・ミッションオイルパンガスケット

・ペーパーウエス(正直糸クズに気を付ければ...)

・パークリ

・樹脂製のスクレーパー(パッキンの材質が良いので、固着はほぼ無い)

・差込角3/8インチのトルクレンチ

以上を準備します。ジャッキアップは絶対必要ではありません。体勢が苦しいですがしなくてもできます。DIY用の貧弱なジャッキで車を持ち上げて作業するのは災いの元です。オイル交換位はジャッキアップせずに行ったほうがいいです。

そして、ドレンボルトをスピンナーハンドルで外します。これで大体2L弱のオイルが抜けます。

次に10mmソケットでオイルパン固定ボルトを緩めていき、オイルパンを外します。端と端の2本は最後に外すようにすると賢いです。緩めている間にもオイルが隙間から漏れてくるので、受け皿を忘れずに。
これでさらに1.5L~2Lのオイルが抜けます。

後はオイルパン、ドレンボルトやオーバーフローチューブ(一部車種)をパークリ及びペーパーウエスで洗浄します。ガスケットがこびりついている場合はスクレーパーで落とします。

オイルパンのガスケットを新品交換し、ドレンボルトのガスケットはフラッシング時にまた外すのでそのままにしておき、元通り組みます。

それから新油の注入ですが、

トキコ オイルサーバーAT


というポンプを使うのがオススメです。清潔で完璧なフルード交換ができます。ミッションオイル用とATF用の2種類がありますが、必ずATF用を選んで下さい。オイル用はノズルの形状がCVTF・ATF交換には向いていないので、買う意味がありません。

アストロプロダクツなどで1万円位しますが、設備・知識の行き届いていない素人作業だからこそ良いものを使うべきだと思います。ちゃっちぃポンプやジョーゴを無理に使って作業すると、コンタミによるCVT破損に繋がるかもしれません(脅)

注入にはレベルゲージ穴を用います。オーバーフローチューブ搭載車種等は、フルードチャージングパイプキャップの外し方が特殊(素人のいじり防止)で、ロックをマイナスドライバーを下から突っ込んで外しながら、引っこ抜く必要が有ります。

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※ロック部分の拡大写真

最初はとても手こずるので、半日潰すくらいの覚悟をしておいて下さい。面白半分でCVTトランスミッションを弄ろうとする私のような嫌らしい素人には、一生出来なさそうな根気や執念の要る作業です。

冗談抜きでそういう意図で設計されているキャップだと思います。もの凄くイライラする作業に仕立てあげられています。鍵屋さんが上手くやりそうな感じです。

ちなみにトルコン機器社の「レベルオープナー」というSSTもありますのでご安心を。2万しないくらいです。全然有りな値段だと思います。時は金なり。



抜けたオイルは合計約4Lですので、4L缶丸々注入してフラッシング工程に入ります。

エンジンを掛け、できれば実走行、またはPからLまで順番にシフトポジションを変え、エンジンを切ります。

ドレンボルトを外し、2L弱オイルが抜けますので、CVTFを2L計量して注入します。

さっきと同様にCVTFを循環させてフラッシングして再び抜き、最後の2Lを注入してドレンガスケットを新品交換して完了です。

ドレンボルトの締め付けトルクは一般的に30~40Nmの間です。ボルトが着座してから「ギュッ」と締め付けたら大体規定トルクになってます。

ちなみに日産や三菱の純正パッキンは変わっていて、かなり潰れるタイプですので「ギュッ」だけでは全然トルクが足りません。

わからない場合はトルクレンチ使いましょう。

油量調整をしたい場合はスキャンツールを購入し、油温を確認しながら行いますが、無理にしなくてもいいと思います。スキャンツールは非常に高価ですので。温度条件を同じにして、抜けたのと同じ量のフルードを補充する方針で大丈夫でしょう。

アイドリングストップ車はクランクシャフトで駆動するオイルポンプ以外に電動オイルポンプが付いており、エア抜き作業が必要ですが、要はアイドリングストップ状態を30秒程度保持すればいいと思います。

スキャンツールで行う電動オイルポンプエア抜きも、要はポンプを作動させているだけだと思いますので。しかし、不安な場合はディーラー等で再度エア抜きしてもらった方がいいでしょうね。制御の加減でエアが抜ける前に電動オイルポンプが止まった可能性があるので。どうせなら油量調整もついでに。

ただし、たったそれだけの作業では断られるかもしれません。