耕運軸オイルシールは、グラスガードによってカバーされていますが、どうしても巻き付いた草が侵入してリップを痛め、オイル漏れに至る事が多いです。

それを予防するには、耕運前に圃場の雑草をできるだけ取り除くことです。そして草が絡まった場合はできるだけ早く作業を中断し、軸からほぐし取ってやりましょう。

それを徹底していれば、かなりの期間もつと思います。

しかし残念ながらオイルが漏れてきた場合は、早めにシール交換しましょう。

ミッションオイルが抜けると、ドライブチェーンやスプロケが磨耗したり錆びる原因になります。

管理機のような小型の機械でミッションが駄目になると、修理費が高額になり、機械自体を買い換える羽目になります。

農機具屋に頼んでも良いですし、自分でするのもそこまで難しくありません。

自分で行うのであれば、まずエンジンを降ろし、ハンドルも外し、Rピンと回り止めを引き抜いて耕運軸も外しましょう。固着している場合はCRCを吹き、プラハンで叩きます。

ミッション単体にすると作業性がかなり上がります。面倒ですが急がば回れでそうすることをオススメします。

そこから、付着している泥を掃除します。

そしてグラスガードをマイナスドライバーでこじって外します。中の泥も洗浄します。

オイルシールと対面できたら、側面に刻まれた品番を読み取り、同じものを

「モノタロウ」

「Amazon」

等で調達します。

運悪く検索でヒットしないときもあると思います。汎用サイズではなく、メーカー専用設計のオイルシールなどは一般に売られておらず、販売店などを通さないと入手できません。

古い機種だと部品供給が終了しており、買い換えを奨められるかもしれません。

どうしてもその機械を延命したいなら、そのオイルシールのサイズを調べます。

側面に「40 20 10」等と数字が刻まれていますが、ご想像の通り、「外形40ミリ、内径20ミリ、厚さ10ミリ」という意味です。

「オイルシール 40 20 10」という感じで検索してみましょう。


さらに運悪く、一般でも入手できる汎用サイズではない場合は、外形と内径は絶対外せませんが、厚みは多少違うものでも試してみるといいでしょう。

交換部品が用意できたら、悪いオイルシールを外します。ミッションケースは柔らかいアルミなので、比較的硬い、鋼の駆動軸の方に「オイルシールプーラー」やマイナスドライバーを突っ込み、こじって外します。

sketch-1575813108215


「オイルシールプーラー」や自動車整備で用いられるフック状の工具を使うと簡単です。画像にスナップリングプライヤーが写っていますが、使えるのは精々刈払機のクランクシールまでです。大径のオイルシールには使えません。

ミッションケースの嵌合部と軸を、パークリを含ませたウエスで綺麗にします。軸に錆びがある場合は、「ピカール」等で落とします。完璧に落とす必要は無いです。

できれば初期馴染みのためにシリコングリスがいいですが、無ければミッションオイルを軸とリップに塗って、オイルシールを打ち込みます。縁を全周嵌めたら、プラハンで少しずつ叩き入れます。

よくオイルシールが斜めに入るのを気にする方が居ますが、斜めになったらエクステンションバーなどで修正すればいいだけの話です。

というより、エクステンションとハンマーさえあればオイルシールは問題なく圧入できます。

後はバラすのと逆の手順で機械を元通りに戻しましょう。